尾白川黄蓮谷左俣

1998/1/2~4
メンバー:篠原・伊平・宮城  宮城 記


アイスクライミングとは何ておもしろいのだろうか! この過激かつ危険なスポーツを一般ピープルはどう考えるだろうか?
先シーズンすっかりこのスポーツにはまってしまった僕は、今シーズンもやはり虜になってしまったらしい・・・・。
今年の正月は僕の心の恩師・…総隊長ことユマール篠原さんと精神の師匠、登攀隊長のファイター伊平さん、そしてなぜか特攻隊長のヤンキー宮城(みんな隊長だ)で黄蓮谷左俣を登ってきた。以下はその記録。

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笹原さん・宮城を乗せた伊平号は非常ににスムースに竹宇に到着。さっそ酒盛りを始める。だかこれがいけなかった。そう、飲みすぎてしまったのだ。

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AM7:30過ぎ起床。AM9:10出発。ユマール篠原さんと宮城はジョギングシューズファイター伊平さんはプラブーツ。昨夜とは違い快晴の中、歩みが進みついついペースが上がってしまう。一本とる度に口にしてしまう一口・二口のウイスキーがまた格別だ。途中ガレトラバースでユマール篠原さんがスリップ。手を負傷してしまう。
笹平の手前の水場で2人してあえなくプラブーツに変身。雪はガレの手前から多くなり最大足首まで。途中宮城が酒を飲みすぎ何回か転倒しながらもPM14:30五合目の古い小屋に到着。すでに5~6張り先行がいたが我々も見習い即、酒盛り。総隊長の業界裏話に盛り上がりPM20:00頃消灯。

1/3
AM5:00起床。AM6:30出発。谷に降り立つまで経験者のユマール篠原さんに先を行ってもらう。途中滑滝沢で事故を起こした学生達とすれ違い55分で着。が見る谷はトレースが無く、悪夢の始まりである。
坊主の滝下の小滝はロープは着けたが軽くクリア。雪が深くなり非常に雪崩が怖い。股下までのラッセルを続け坊主の滝に着。ファイターリード。細いロープをうまく使って楽々こなす。1Pでクリア。3級程度。ちなみに我々のロープは軽量化をはかり6mm×55m、7m×52mでチョット恐怖。
坊主を越すとすぐに二股だが雪が深くノロノロだ。予定していた右股は当然トレースなど無くかつ雪崩が怖いことから中止。急きょどっちも一緒だが左股に変更。まあ一般ピープルなら突っ込まないか!
3段50mの滝は氷の上の雪を落としながらのきついクライム。その上はラッセルから逃げるようにヤンキーが15m、80度4級-の滝とちちくりあったが厳しく他の二人は沢とおしに行ってしまった。やられた...。
その上のチムニー滝、4級-はファイター伊平さんリード。50mいっぱいに延ばし潅木でビレイ。氷質は硬い。(あ、そうそう実はユマール篠原さんはこの左股、18年前、9年前、今回と3度目であり半分いじけちゃっているのだー)この先は滝も無くただひたすらラッセルするだけ。さんざん苦労して大滝下にたどり着くとなんてデカイのか!結氷状態は最高。傾斜は下部が垂直で上部はナメ状と変化しており何よりデカイ。ちょっと我々のロープでは危険すぎるだろう。
せっかくだが右のルンゼから巻く。多分ここが一番悪かった。傾斜はあるし、ラッセルは凄いしその下はスラブなので弱点なし。3人3ルートで落ち口にそろった時はヘロヘロマンに変身してしまった。我々はこのルンゼをNルンゼと呼ぶことにした。延々とラッセルを続けしまいに2人からラッセル号と呼ばれるようになりさらにもくもく(叫びながら)続け最後の滝下に着。
この間に何回となく雪面に亀裂が入った。天は僕達を見捨ててはいないようだ。この滝は大滝より数段傾斜があり難しいと思う。結氷ばっちり。直登は無理なので左端のベルグラからナメを登る。
ヤンキーリード。ポイントは出だしのベルグラの処理。30m強、4-で立ち木でビレイ。しばらく雪面を行き、三股は中央を登る。雪質をきちんと見よう。途中からヘッドライトの世話になり気違いになりながらひたすら、時々交代しながら登り続けやっと稜線に抜けた。
「やっと終わった」終了点は八合目上の鞍部でいかにも忠実にたどってきた気がする。PM18:30終了。そのままの足で七丈の冬季小屋まで下り(PM19:10着)PM21:00過ぎまでほんの少しの酒を飲んで消灯。

1/4
朝から激しい雪。ビバークしなくてよかった...。長居は無用なので早々にトレースの消えた黒戸尾根を下る。

※ 使用ギア=6mm×55m、7mm×52m、アイススクリュー×9
※ 課題を残してきてしまったので(大滝、その上の滝)ぜひもう一度行かなくては...。
※ この谷は大滝、その上の滝を巻いた場合、初級者でもこなせると思う。

いや~、本当にアイスクライミングっていいもんですネ!

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