一ノ倉沢コップ状岩壁正面壁雲表ルート

1998/5/31
メンバー:木元・伊平  伊平 記


5月ラストの週末は定番の一ノ倉沢、今年は人数が集まらず2人だけ。
5月30日(土)雨の南稜を2時間で片づけて、午後は昼寝を決め込む。
5月31日(日)3時30分に起きると風が強く時々小雨がパラパラ、様子を見ようとまた寝ていると天気はそんそん良くなって晴れ間がのぞく。
5時00分出発、衝立前沢から略奪点経由でコップスラブに入る。雪が少なく略奪点の脇も僅かな雪渓しかない。コップスラブは最初左側から取り付き、中間からは右側ルンゼ状を登り、7時00分コップ広場到着、快晴となる。7時30分登攀開始。

1P目 伊平リードでⅣ+逆層のフエースを登り左にトラバースして外傾テラスでビレー、15m。
2P目 核心のハング帯、木元リード。テラス左側の垂直のフエースをA1で直上、ピン3本目から先は初登の頃の腐ったハーケンだらけ。ハング下を右にトラバースする部分では明らかに乗ったらアウトというハーケンを微妙なフリーで2回程とばす。凹角入り口の空中にぶら下がる所も、残置の3ミリシュリングから下向きの錆びたハーケンと緊張する。ランナーは取っているが確実なものは1本もない。凹角の古いピンを登り、出口のかぶった岩下でバガブーを1本打ち凹角を突破、カール下テラスヘ、30m。フォローの伊平はこの出口で古い残置に不用意に乗ってしまいハーケンが首の所から折れ2m程落ちる。
3P目 カール下テラスから頭上の凹角を直上する。傾斜の強い凹角最上部をⅣ+の微妙なバランスで左に抜けて草付帯に出てビレー、30m。
4P~5P 浅い溝に沿って草付帯を左上。傾斜もありⅣ級程度の露岩や悪い草付も出て来るがランナーはほとんど取れずビレービンも打ち足す、90m。
6P~7P
粉石ルンゼ。両側から垂璧が迫り井戸の底のような幅2~3mの湿っぽい急なルンゼ。途中チョックストーンの間のトンネルをチムニー登りで抜ける、90m。

終了点は烏帽子岩の基部で中央ルンゼの終了点と同じ、12時。
のんびりと稜線を回って帰る。下部は人工、中間は草付、上部は湿ったルンゼと変化のあるルートですが、ピンは古く冷や汗ものです。

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