爺ケ岳北稜

1997/3/20~22
メンバー:遠藤・山本(裕)・田島(寛)  田島(寛) 記


3月20日 (晴れ)
前夜は信濃大町駅にてステーションビバーク。6:30鹿島の狩野宅前を出発、土の出た急斜面を東尾根に上がり、樹林帯の稜線を登る。2000m台地には11:00に到着、北稜のルートを確認し小冷沢へ下る。我々は2000m台地から尾根を少し進み支稜からルンゼを下ったが、台地付近から下ったほうがよいかもしれない。小冷沢から一の沢に200m程入り、11:00北稜側面の雪壁から取りつく。雪壁はルンゼ状で雪も不安定、下部は右端を登り、途中からルンゼ中央の稜へトラバースし稜にそって登ると、ルンゼ上部、緩傾斜の雪壁に達する。そこから北稜の左端へ再びトラバースし、13:30木の上の斜面を削り本日のテント場とする。
3月21日 (晴れのち曇り)
5:00起床、北東の空に彗星が輝く。準備を整え6:30出発。朝の締まった雪面をしばらく直上、二の沢側の斜面を右上気味に登り雪稜に立つ。途中の雪壁では雪に埋まった木に古いシュリンゲが巻いてあり、そこからランニングがとれる。11:00に第二岩峰上部の露岩部分に到着。ここは一の沢側に回り込み雪壁から雪稜に上がるのだが、先行パーティーが悪雪に苦労して1時間半程待つ。遠藤、田島、山本の順で登り、途中一旦切って山本さんがトップで稜上に這い上がる。不安定な雪稜を抜けると広場のようなところで、ピークに続く白銀の稜線が視界に広がる。上部の雪稜は特に問題なく進み冷尾根が右から合わさる。雪壁の上でザイルを解く。空模様に追い立てられるように登り、16:45主稜線にたどり着く。ゆっくりと剣岳を眺める余裕もなく中峰を越えて東尾根を下る。18:00、2300m付近の雪面にテントを張る。
3月21日 (雪のち曇り)
夜どうし降った雪も徐々に弱くなってきたので9:30に出発、東尾根を鹿島に向かって下る。湿雪のせいで直ぐにダンゴになり歩きにくい。最後は泥の急斜面をどうにか下り12:30、無事狩野宅前に戻ってきた。

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