八ヶ岳大同心南稜

1997/12/28
メンバー:山口夫妻・伊平・田島(寛)  田島(寛) 記


大同心沢左岸の踏み跡を暫く歩き、大滝へ向かう潜み跡と別れ左の大同心稜へ上がる。樹林帯の道は徐々に急登となり木の根やアックスを補助に登っていくと、視界が開け正面に大同心、その右に小同心が姿をあらわす。クランポンをつけ大同心基部を目指すが、さすがに樹林帯を抜けると風が強い。雪は少なく岩壁は真っ黒だ。ようやく基部に到着、バンドに沿って右へ回り込み取付き点へ。
山口夫妻を待ちながら準備を整え、登撃開始。1ピッチ目、傾斜は緩くホールドも大きいので問題はないが、残置ピンが見当たらなく岩にタイオフしてランニングを取る。ビレー点も極めてプアーでバックアップが必要。2ピッチ目は、左上バンドからかぶり気味のフェースを超え、そのままほぼ直上しリッヂの手前まで登る。ホールドは大きいものの、厚手の手袋をしているためか結構前腕にくる。大同心稜からルンゼを登ってきたガイドによれば、本来のラインはもう少し正面壁よりで、そちらの方が傾斜は緩いとのことだった。
3ピッチ目はリッヂの右側をトラパースしドーム基部へ。山口さん夫妻はリッヂ上を登ってきたが結構厳しそうだ。4ピッチ目はいよいよドームの登攀。壁には全く雪が無いので、クランポンははずしてしまう。出だしの数メートルはフリーで後は人工となるが、これがなかなか大変で、悪戦苦闘やはりフラットソールで乗るよりもかなり厳しい。(元々へたくそなのだが。)どうにか伊平さんに引っ張り上げてもらいドームの頭へたどり着く。
ドームの頭は結構広くて安定しており、前には遠く北アルプスを望む大パノラマ、後ろには主稜線が広がる素晴らしい所である。
下降は、主稜線への道を少し下り、右側のルンゼを降りる。此処から眺めるドームは素晴らしく、その前傾したカンテを登る山口(節)さんの姿がくっきり見え、カメラを持ってきていればと悔やまれた。取り付きまでは15分程度。後は大同心稜を下り、2時前に無事赤岳鉱泉に到着。

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