奥秩父・鶏冠谷右俣

1994/6/12
メンバー:木元・山本裕  木元 記


鶏冠谷は、嵓に入会する以前から憧れていた沢であった。なぜ気になるのか、その理由ははっきりしないのだが、いつも出合を通り過ぎるたびに登ってみたいと思っていた。
6月12日の会山行を中止するという連絡を裕さんに入れた時に、雨でもいいからどこかに行きたいと誘われた。その時思いついたのが鶏冠谷で、すぐに話がまとまり、11日土曜日の夜に車で横浜を出発した。
その晩テントを張った場所はバスの折り返し場で、翌早朝に追い出されたりしてよく眠れず、結局出発したのは7時半項、出合に着いたのが8時過ぎとなってしまった。
遡行を開始して間もなく、魚止滝が現れる。木元リードで右の凹角を登る。そこからしばらく進むときれいなナメ滝となり、先行パーティに追いつく。すぐ前を歩いていたのは若い二人組で、まだ先には数パーティがいるとのこと。この二人を追い抜いてすぐに二俣となる。
我々が予定している右俣はハング気味の25m滝があって沢通しには進めず、左の尾根から高巻くが踏跡があって容易だ。その先はゴルジュとなっていて問題なく進むが、出口の滝だけはヌメっていて悪そうだ。先行の二人パーティがザイルを出して登るというので、その間待っているのも結構寒いし、面倒なので左から高巻くことにした。
ゴルジュを抜けた先も30mの滝となっていて、6人パーティが右往左往している。ここも左から高巻いて、我々が一番先を歩くことになった。
この後はしばらくナメ滝が続き、とてもきれいな場所だ。この頃から雨が降り出してきたので先を急ぐ。
やがてガレた滝の向こうに40mの大滝が見えてきた。この滝は両側壁がハングしていて登れず、通常右からの大高巻きとなるところだ。しかしその滝の上は大した箇所もないようなので我々はここで遡行終了とし、右の枝沢からさらに右の尾根に出て、石南花のヤプの中の踏跡をひろって戸渡尾根に抜けた(12時半)。
雨がだんだんと本降りになってきたので、すぐに下山する。道はヌク沢を横切る近丸新道ではなく、戸渡尾根を末端まで下る徳ちゃん新道を選んだが、これが意外と良い道でわずか1時間で下の林道に着いた。
憧れの沢だったが登ってみると、なんだこんなものかという感じで、少々食い足りなさが残った。この笛吹川の東沢周辺にはもっと登攀性の強い沢があるので、そういう所を選んだ方が良かったかもしれない。

戻る

Bookmark this on Yahoo Bookmark
Bookmark this on Google Bookmarks