烏帽子奥壁 南稜フランケダイレクト

1994/7/23
メンバー:木元・平舘・山本  山本 記


台風が接近しているということで、天気はあまり良くないようだ。ダメモトで行ってみようということで金曜日の夜に出合にテントを張る。
翌朝5時に起きて一ノ倉の岩壁を見るとテールリッジ下部から上がすっぽりガスにおおわれている。仕方がないので当初予定のデイレクトカンテをあきらめ、幽ノ沢に入ってⅤ字の右でも行こうということで歩き出す。
幽ノ沢の出合いから入っていくと雪渓が切れ切れに残っていて迂回が難しくなりアブローチに時間がかかりそうなので一ノ倉沢に引き返す。
出合いに戻ってみると(8:00〉天気が大分回復してきたのでとりあえずテールリッジ上部に向かう。本谷の雪渓はかなり残っていてヒョングリの滝も巻かずに済みそうだ。
正面壁には不思議ロードにひと組、そのほかは中央稜、凹状、中央カンテ、南稜にそれぞれ一組程度で静かなものだ。
出遅れたので、木元さんがフランケダイレクトにしようという。僕が全然予想していないルートだったが、ピンが多くてしっかりしているそうだから安心して行くことにする。
取り付きは鎌形ハング下の真ん中よりちょっと左寄りで本元さんリード。右上する凹角に沿ってあがり、鎌形ハングのいちぼん出っ張りの小さいところをアブミで乗越す。細引きの通ったピンと、すこしゆるいハーケンにアブミをかけやっとの事でフェース上のビレー点に着く。ハング超えで大分無理な姿勢を取ったのかビレー点にたどり着いてから本元さんに肘がスゲー出血しているよ、と言われてケガに気づく。とうやらひじで登ったようだ。クロマイ軟膏とバンドエイドですぐ止血する。
次は平舘さんリードで、頼りない立木に足をかけてリッジに上がり前進する。立木はグラグラするのでさすがに一番てっペんには足をかけられないが、葉も繋っているので何とか生息しているらしい。そのころ中央カンテ上部でものすごい落石が見える。カンテの下部を登っているパーティーの付近に落ちているが、けがはないようだ。カンテにも落石があるんだーと思う。3ピッチ目は10m程度右上しただけですぐにビレーポイント。
4ピッチ目は山本リードで、左上するハングトラパースぎみに進んで、最後にAOする垂壁を左に横断気味に超えると終了点になる。
ザイルを着けたまま笹薮の踏み跡をさらに奥に行くと、南稜の途中の懸垂ピンに出会う。3ピッチ下降して鎌形ハング下に戻る。

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