丸山東壁中央堕アイアンマン(敗退)

1994/4/28~5/4
メンバー:佐藤寿 Solo 記


4/28
新宿を7時の特急で発つ。まだ連休に入る前で、余裕で座われた。
黒部ダムから、重荷に喘ぎながら、小雨の中を1ルンゼの出合へ。今日このあたりに泊るのは自分一人だけのようだ。夕方から青空が見えてきた。

4/29
10時過ぎに取り付く。中央壁は初めてだし、下部は雪に埋まっていることもあって、よくわらない。
適当に進んでいくと、緑ルートのビレイポイント(BP)らしきものが右側にでてきた。左側にはブッシュ、そしてさらに左にアイアンマンのBPがあるようだ。
ブッシュをつかんでトラバース。草付テラスに着いた。雪解け水でビショビショだ。1Pめは傾斜が緩いので、緑とダイレタトの間を適当に登ればよいだろう。
2Pめはピトンとスカイフックから、草付のフリー。あと一手でエッジに届くというところで草付がはがれ、10m近く落ちる。次にはなんとか越えて草付の上に立ち上がると、右側にルートらしき下から続いているラダーがある。フッキングトラバースでボルトヘ。あとはラダーをたどってBPへ。今日はここまでにして下降。
午後になって雪が降ってきた。吹き上げる風も冷たくなってくるので、そういったことも考えて用意するとよい(天気さえよければ午前中は暑いほどだ)。
なお、水をこぼしてしまっても、壁をつたっている流れで喉を潤すことができる。

4/3。
ユマーリングの後、10時に3Pめ開始。最初の草付にのるフリーが嫌だ。そのあとボルト・ピトン・カムデバイスで高度を稼ぐ。
BP下のフレーク。下の部分にキャメロットが決められそうだが、そこに届かせるためのピトンが効かない。焦ってのったスカイフックがはずれてフォール。ピトンが2本抜ける。次にはスタッキングで越えることができた。あとはフレークをたどり、最後はフリーでBPへ(ロープが重い)。 ここから50m懸垂するとBPがあり、フイックスに便利だ。

5/1
朝からずっと雨。1日中寝ていた。

5/2
朝のうちパラパラ。気分がのらずやめ。
近所の人と、登っているパーティを見ながら話して過ごす。

5/3
天気はもって今日いっぱいだそうだ。行けるところまで行って、降りることにしよう。かったるいユマーリングのあと、4Pめが始まる。
8ポイシトくらいのネイリングて、L字ハングの右を通るラダーに届く。1ヵ所切れていて、2回ほどピトンを打つがテストすると抜けてしまう。なんとなくモチベーションも切れて、降りることにする。
午後から1ルンゼや南東壁の方を見に行って過ごす。

5ノ4
早起きして撤収。天気はわりと良いようだ。
ダムに近い方は夏道を通るようになっていた。大町には昼前に着き、帰りも座われた。
今回は、結果としては情けないものだが、自分の考えていたことをいろいろと試せて楽しかった。帰ってきたあとも気持はとても充実している。
最後に私にわかっていることを幾つか書いておきます。

・下部の人工はほとんどがネイリングで、かつ浅く細いクラックを使うため、短めのナイフブレードを多めに持っていた方が良い。タイオフも結構するのでスリングも 多めに。
・アブミにのっている時間が長いので、靴はスニーカーなどの方が良い。フリーはせいぜい草付のVです。
・ビレイポイントには最低2本のペツル〈M8)が打ってあり安心感があります。またラダーは1本おきか2本おきにリングボルトがあり、その間はリベット(記録では5mmのボルトとなっているものだと思う)です。よって、シンストッパー・リベットハンガー・細いスリングなどが何本かは必要。  (参照)「岩と雪」156号

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