瑞牆山

1992/11/21~23
メンバー:立木・平館・楢岡・佐藤(寿) 佐藤(寿) 記


11/22 十一面岩正面壁(?)
いい天気だ。今シーズン初めての霜柱を見る。8時ごろ、ベースにした林道の分岐点を出発する。しばらく林道を行くと、道の上を水が流れている。これが北沢で、ここから沢沿いに小一時間歩くと、十一面岩の末端壁に出る。昨夜から今朝にかけての冷えこみで、クラックには氷が張り付いている。アイゼンは車に置いてきてしまったのだが…。ここから15分ほどで正面壁の大ハシグ下に出る。
立木・佐藤、平舘・楢岡の組合せで、大ハングの右の壁に取りつく。1Pめ、初めの少しだけがフリーで後は人工なのだが、やけに身体が重い。ザックの中はほとんど空に近いのだが、どうもだめだ。言い訳が頭に浮かぶ。30分以上かけて、ボルト3本のビレイ点にたどり着く。もはや“ベルジュエール”は問題外である。
2Pめ。ビレイ点から左ヘトラパース。下向きピトンが3本あるが、効いておらず、立木さんは打ちこみながら進む。15mほどロープを伸ばし、木が生えているところでピッチを切る。
3Pめは、最初のスラブぽいところをはい上がれない。いんちきのAOの後、何とか立ちこむ。木にザックを引っかけながら進んでいくと、凹角に出る。スタンスには泥と雪がのっており、それらを落としながら、はいずっていく。テラスを目の前にして行き詰まるが、側壁にクラックが走っていて助かった。横たわっている木でビレイをとる。
この先、“春一番”は右のラダー、“ベルジュエール”は左のハンドサイズのクラック(5.9)となっている。私たちはキヤメロットが2セットあるのをよいことに、左をエイドで行ってしまった。何やら情けないが、「次こそは…」の思いとともに、佐藤はヘッドオンで後続する(尾原さん、ありがとう)。上に出れば、白クマのコルだ。
4人が揃うころには夕方近く、今日はここで終了とする。歩いて降りられます。

11/23
カンマンボロン(鎌形ハング)
またもよい天気でうれしい。十一面岩へ行くのよりも手前で、右へ小さな丸木橋を渡る。落葉を踏みしめながら進んでいくと、カンマンボロンのヘッドウォールが近づいてくる。鎌形ハングへの取付は、その左手だ。“ワイルド・アット・ホーム”のハンガーがピカピカしている。
今日の編成は、立木・平舘、・楢岡・佐藤。1Pめ、フリー化されているルートでもあり、ポルトに頼らなくてもかなり登れる。人工でいくにしても、クラックに自分で支点を決めながらいく方が楽しい。
2Pめ。初めの数歩がフリー、その後アブミのかけかえで15mほど登る。
3Pめ。そろそろ岩がポロくなる。ホールドを1つはがしてしまった(楢岡さん、ごめん)。鎌形ハングを越えたところでスリングビレイ。
4Pめは直上して大きなテラスにでる。
この先、初め立木さんはボルトのビレイ点のほほ真上に行ったが、そのラインは途中で消えており、降りてきた。テラス右端の木でビレイをとり直し、ルンゼ状を進む。風化していて脆い岩だ。
6Pめの偵察に平舘さんが右ヘトラバースしていく。結局そちらへは行かず、すぐ上のプッシュから岩のトンネルを抜けて終了する。実質、5ピッチだった。
夕闇の迫るなか、空中懸垂を交えながら下降。星空の下を歩いて、6時過ぎにベースに着く。
今回の山行は、登攀内容としてはともかく、個人的にはとても楽しかった(はしゃぎすぎて、うるさいと言われるほどに)。
技術を身につけて、もう一度来たい場所です、瑞牆山は。岩場もいっばいあるし。
参考:クライミングジャーナル48号。岩と雪155号

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