一ノ倉沢中央カンテ

1992/6/27
メンバー:秦・根布・佐藤・村上  村上 記


何度も天候に恵まれず、お流れになっていた谷川岳一ノ倉沢に金曜日の夜、不安と期待が入り交じった心境で私は、所沢駅に集合した。奏さん、根布さん、佐藤さんとPM9:00頃出発した。関越道走行中、本郷さんの車と偶然にも合流し一ノ倉沢出合をめざす。
出合にAM0:00頃到着、さっそくテントをはってビール等を飲みながら、お天気やコース等の話題で夜がふけていった。
朝4時起床という事で、バッチリ5分前に目が覚める。皆も起き出して朝食を用意して5時前の出発をめざす。
朝霧の中に衝立の上部が浮かび上がりおおいかぶさってくるような威圧感を感じる。5時10分前に出合を立ち途中きじを打ちながらテールリッジに取りつく。
テールリッジを挟んで大きな床状の沢があり、これが明るい印象を与える。テールリッジの上部で足の遅い男女のパーテーに追い付き根布さんがルートを聞きだすと中央カンテと言うことで、一同顔を見合わす。この後その男女は南稜にルートを変更した。
テールリッジで一度だけロープを出す。一見なんでもなさそうな所だがここで事故が多いと聞き納得する。私達のパーテーがロープを出している間に7~8人の若者達がロープをつけずに追いこして行く。濡れている個所で滑って、ひやりする人もいた。
衝立の壁を右こ見ながら、こんな所を登る人間が本当にいたのだろうかと思わずにはいられない程の予想以上の絶壁にただあきれるばかりだ。しかしこの思いも下山途中で衝立の中間部に4人のパーテーが取り付いているのを見て成る程と思う。私もいつの日にか・・・・
奥壁下部に6:30分到着、先行パーテ‐が1組凹状岩壁に取り付いたばかりで、少々待たされる。奏さんと村上、本郷さんと直樹さん、根布さんと佐藤さんの組合せで6時50分、奏さんが先陣を切る。
凹状岩壁と中央カンテの分岐点あたりまで、多少濡れていて潜りやすい状態であった。2ピッチ目をリードした村上は本番では初めてのリードである。やさしかったのでうれしくもあり、ものたりなさを感じながらロープを伸ばす。
凹状岩壁と分かれ、中央カンテに入ると回りの様子が手に取る様に見える。変形チムニーの更に左のフェースを詰めているパーテー(ルート名はよく分からない)
滝沢第3スラブの下部に取り付いている人影も見られる。変形チムニーとの合流地点で村上がルートを左寄りに取りすぎたため、もろいルンゼ状のいやな所を奏さんがリードをしなければならず苦労をかけてしまった。
そこを抜けると、4畳半テラスの下部になり2m位の立っている所を村上リードとなる。そこにはスリングが2~3本下がっており、あぶみ状になっている。これを利用してすぐ上のテラスでピッチを切る。次のピッチも難しそうな壁でAOで抜けると4畳半テラスに付く。後半も残り少ないとのことで20分位休憩を取り、一ノ倉沢のルートなどを奏さんに教わる。
その後、烏帽子岩の下部をトラバースする所がいやらしい感じだったが、なんなくクリアーして11時30分終了地点に4名立つことが出来た。

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