春山合宿鋸岳の報告

1991/5/4~5
メンバー:秦・川崎・下野・三上・山本  秦 記


当初の北鎌尾根の計画が、時間的にきついということで、出発の10日ほど前になり、戸台から鋸岳~甲斐駒縦走ということになった。
時間表で調べると、飯田線伊那北駅から戸台までのバスが運休中という。連休のこととて渋滞の懸念はあったが、川崎さんのレガシーに5人が乗り込んで新宿を出発したのが、5月2日の夜。案の定、大月を通過するまでに2時間余りを費やし、戸台に着いたのは完全に夜も明けきった朝の5時半頃。少し仮眠し、9時出発。
1時間40分ほどで大きな看板があり、ここが角兵衛沢の出合い。早速、戸台川を渡渉し、大きなケルンに導かれて登り出した。すぐに荒れ果てたゴーロの沢床におりて、これを登り続ける。途中で左岸に踏み跡がありそうな気がして、いやらしい高巻きをさせられたが、結局ふたたび沢床におり登っていく。4時頃になって、はじめてルートが違うのでは、と思った。かなり登っているはずなのに、ガイドブックの文章とはずいぷん様子が違う。
とりあえず、今日はここまでとして天幕を設営するが、落石がきそうなので移動し、焚火をしながら、明日の行動を考える。
翌日。この沢をさらに登りやはり違うことが判明し、少し下ってから樹林帯をトラバースしていくと、赤テープを発見。この踏み跡を登っていくと、赤テープが続いており、やがて広いガレ場に出た。ガイドブックの文章のとおりである。
この日は、角兵衛大岩下の岩小屋で焚火をすることにする。水もあってすこぶる快適な岩小屋である。結局、丸1日のタイムロスとなり、甲斐駒までの縦走は断念し、鋸岳第一高点まで往復して下山することにする。
5月5日は快晴、無風で明けた。前夜降った雪に覆われたガレを、足をとられながら登っていくと2時間半で角兵衛のコル。狭い場所だが八ヶ岳がよく見える。ここから第一高点までは、ホールドに積もった雪を払いながら30分の急登。甲斐駒から北岳、さらに南へと続く南アルプスの山容が望め、目の前に見えている甲斐駒までの縦走ができないのは少々残念でもあるが、下山に移る。

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