明星山P6南壁左岩稜

1991/11/2
メンバー:桜井・立木・本郷  本郷 記


11月2日から4日の3連休を利用し、明星山へ出かけることになった。
先発隊の桜井、立木、本郷の3名は、関連自動車道から北陸自動車道を経て糸魚川ICを降りる。(11月1日深夜)ガイドブックに別天地と書かれているキャンプ場に到着したのが2時30分であった。
それから1時間程、酒を酌み交わし、3時間程の睡眠を取る。

11月2日
天気は晴天である。
今秋は雨にたたられ満足なクライミングができなかったので、ずいぶん久しぶりの乾いた岩でのクライミングとなる。さて本題の前に、会としては初めての岩場ということで明星山の印象を書いてみようと思う。
まず驚かされるのが、壁のスケールであろう。ちょうど壁の半分位の高さの対岸に展望台があり、そこから見ると一層立っていて大きく見える。
丸山東壁や屏風より迫力がある感じで、まさにビッグウォールと言うにふさわしい岩壁である。岩質は石灰岩であるためピトン類のチェックは、必須である。
かつて、グイレタトルートでボルト抜けによる事故も起きている。さらに、前述の展望台には観光客がたくさんいて双眼鏡でクライマーを観察している。当然、きじ打ちなどはその趣味のある人以外はできそうもない。しかし、目立ちたがり屋のクライマーには、ピッタリの岩場であろう。私のようなメンタルな人間にとっては、やりにくい岩場である。
さて、本題の左岩稜であるがガイドブックでは、三つ星の御薦めルートで、しかも明星山で一番の人気ルートということで取り付きで2時間の順番待ちとなる。登りだしても各テラスごとに順番待ちでどうにもいやになってくる。
1ビッチ目、立木氏のリード。かぶり気味のバルジを登る15m程の短いピッチである。ワンポイント5級のフリーが入るが、岩は堅いので思い切って行ける。
2ピッチ目も立木氏のリード。一度ジェードルを右上した後、左上ランペを登る。侵食により岩の表面に白い粉を振りかけたようでフリクションが効かずいやらしい。
3ピッチ目は桜井氏のリード。前傾壁の人工であるが、ボルトの間隔は近く快適である。
4ピッチ目も桜井氏のリード。4級A1であるが、所々A0をまじえてアブミは使用せずにリードしたようである。
5ピッチ目は本郷リード。やさしいフェースを松の木テラスまで快適に登る。お腹が空いたので松の木にセルフビレーを取り、食事する。
ここで実質的なルートは終了で、ルートが混んでいる事もあり懸垂で降りることにする。4ピッチ懸垂して、取り付きに到着する。
それからキャンプ場に帰り、車で酒の買い出しにいく。
その晩は、疲れてすぐに寝入ってしまったが某UクラブのFさんがやかましくて寝られたものではなかった。しかも近くの建築資材を燃やして焚火をするなどして大騒ぎして、あきれてものがいえない。
日本のアルパインクライミング界の頂点に立つ人があれでは明星山もいつか出入り禁止になってしまってもしょうがない。登れればいいというものではない。

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