一ノ倉沢烏帽子奥壁変形チムニー

1991/6/1
メンバー:小宮・三好  三好 記


金曜発を繰り延べての一ノ倉。無駄足覚悟の出合詣ではラッキーにも車で乗り付けることができた。ややあって後、星の見えぬ空に向かって心の中でてるてる坊主に頭を下げて、シュラフにもぐり込む。
変チは長いし、私は遅い。で、3時起床。とにかく起きて準備をする。やっぱりはっきりしない空漠様だが、これも一ノ倉では毎度のこと、とりあえず取付きまで行ってみるしかない。幽ノ沢パーティーに声をかけて出発する。
取付きで見上げるルートは、べったり濡れている。パートナーの小宮氏もうなっている。とりあえず南稜テラスまで上がって2人でうなる。ポツリ、ポツリきた。ら、すぐ止んでしまった。この際ザーッと降ってくれれば、すぐ辞めるのだけれど‥‥。
今日の天気予報は、曇りのち時々晴れなのである。ああ仕方がない。とりあえず登ってみるしかない。
じゃんけんにより、小宮氏トップで取付く。濡れてはいるが思ったほど悪くはない。2ピッチ目で変形チムニー下まで届いてしまう。小宮氏リード。慎重な登りでひとつひとつ確実にホールドをものにしていき、間もなくチムニーの上に消える。フォローで行くと、雨あとの変形チムニーは聞いた通りのヌルヌルベったり。ザイルが上にあることについ感謝してしまう。神サマ、小宮サマ、ポイントは出口ですね。
次のトラパースでルートファインデイングを考えているうちに中央カンテの先頭パーティに上に行かれてしまい、結局3番目に入れてもらう。だんだんガスってくる。上部の核心部は三好リード。後が詰まってもいるし、即座にフリーを辞め、アブミをかけたが、上がったらフィフィが抜けてくれず、一歩下りる醜態をギャラリーに晒てしまった。恥ずかしや。次の凹角も、迷わずアブミ。悲しいなあ。次は是非フリーで来たいものです。
最後のピッチで「のち時々晴」を裏切ってとうとう降り出してしまったけれど、伸々楽しませてくれるルートでありました。
終了点のボルトテラスで、先週立木さん達が残していったという水色のシュリンゲがかかっているのをしっかり確認し、ダイレクトルートヘ懸垂。このザイルが抜けにくかったり、何故だが下降に時間がかかってしまったことが今後への課題です。
下りて来て、車の時計を見た時には本当にぴっくりしてしまいました。幽ノ沢に取り付かなかった3人をたっぷり待たせてしまいごめんなさい。

タイム:出合4:00 - 取付5:00/5:30 - 終了点12:00 - 出合4:00

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