八ヶ岳横岳大同心南稜

1991/11/29~12/1
メンバー:本郷・三好・鈴木(直)  鈴木(直) 記


冬の八ヶ岳の岩壁卒業ルートと一般に言われる「大同心正面壁」をやろうということで、車ででかけた八ヶ岳。まったく雪のつかない林道を走り、夜中2時に赤岳山荘手前でとめて、テントを張る。
明日は、まだ11月だから冬期登はんにならないしい、疲れもあるし...ということで、(明日はあきらめて) 今日は宴会とする。
疲れた鈴木は3時半くらいにリタイア。本郷さんは、その後も一人酒をあおっていたという。
翌朝、黒々とそびえる赤岳を見上げてあんぐりとする。雪がないにもほどがある。三好さんはスニーカーでアプローチする始末だ。
今日は赤岳鉱泉アタックということでのんびりする。ついたらビール飲んでさっそく昼寝である。
さて翌日、三好さんから感心されるほど眠りこけた鈴木は体調も快復する。気合いをいれて暗いうちから大同心稜を登り出す。大同心に出る手前にテントを張ったパーティがいて支度をしている。出し抜けたと思ったが、取り付きでこちらの準備が手間取り、悪いので先に行かせる。
落石や時間の面から後続するのはいやなので、右フェースに変更する。いざ本郷さんがリードする...が、登れない。「直さん代わって」と言うので、気が進まなかったのであるが、リードしてみる。やはり恐くて登れない。凍っていないせいか、アイゼンを乗せたスタンスがぼろぽろ崩れてしまう(本当の右フェースの取り付きは立木氏の話によればもっと右よりだそうな)。
こうして、あっさり正面壁を敗退した我々は、南稜に作戦変更する(この変わり身の早さよ!)。1ピッチ目。どこでも登れそうな岩場を本郷さんが行き、2ピッチ目、三好さんがリード。ここは、大きな岩を抱え込んで傾斜のある中を登るので、いつ岩もろとも落っこちるかと結構緊張させられる。
3ピッチ目、途中でピッチを切ったので、左上して登りきったところがリッジ。ここをしばらく歩いていくとドーム基部である。
最初からドームのリード希望を表明していた鈴木が行くことに。ここで、さっきの雲稜ルートのパーティが上がって来た。わずかながら先んじることができ、なんとか体面を確保する。
1歩か2歩くらいのフリーは入るが、ピンの数は十分である。荷物がない(セカンド、サードが荷物運び)こともあって、割とスムーズに抜けられた。ただ、後続の本郷さん、三好さんは、ザイル処理等で結構苦しんだ模様。本郷さんは「衝立の雲1より難しいよ」などとのたまっていた。
結局、ルート中まったく雪や氷に出くわすことがなかった。下山は大同心ルンゼを下降する。おっかなそうでザイルを出したりもしたが、いざ降りてみると懸垂下降を要する箇所はない。行きと同じく大同心稜を下り、テントを撤収して帰る。
あ~あ、また、宿題を残して帰ちてきてしまった。いっペんで課題を解決するのは難しいもんですね。

戻る

Bookmark this on Yahoo Bookmark
Bookmark this on Google Bookmarks