屏風岩東壁東稜

1991/5/5
メンバー:本郷・長谷川  本郷 記


5月5日、長谷川さんと東稜を登ることにした。3時に起きて、5時30分にビバーク地を出てきたのだが、T4でモタモタしていたらT2へ着いたのが9時30分になってしまった。
我々の前にすでに、3パーティー取り付いているようだ。前のパーティーが1ピッチ目を登りだしたが、トップが小ハングで苦戦していて、なかなか登っていかない。しまいにフィフィまで出して登っている。
1ピッチ目は、15mなのであるが、しっかり時間をかけてくれた。セカンドが登り出したが、また輪をかけて遅く、登る前から嫌気がさしてきた。セカンドがやっとハングを超えたので、登り始めることにした。
1ピッチ目、本郷リードでスタート。ピンも近くハングも小さく容易なA1であった。バンド状のテラスに着くが、先行パーティーがザイルを巻なおしていた。
どうやら一人がオールトップで行くようである。先行のトップが登りだしたので、長谷川さんに上がって来てもらう。ここでしばしの順番待ちである。
本郷「もう降りて、横尾でビールでも飲みましょうよ」。
長谷川「あと2ピッチ位、行ってみましょう」。
とのことで、長谷川さんは、まだやる気である。
およそ40分後、先行のセカンドが登り出したので、長谷川さんもつづいて登り出す。しかしザイルが全然伸びない。後続のパーティーもいらいらしている。どうやら長谷川さんが先行のセカンドに追い付いて、渋滞となっているようである。長谷川さんからビレー解除の声が届いた時は、もう1時近くなっていた。2時間30分待ったことになり、足がすっかり棒になっていた。
2ピッチ目は 本来高度感もあって気持ちの良いピッチということだが、とてもそんな気分にはなれなかった。
3ピッチ目、本郷リードで 20mのフリー。
4ピッチ目を登ろうとするが、もう2時30分となり、順番待ちにより すっかり疲れてしまっていたので、もうやめようということになり下降を開始する。
3時30分T2到着。
「冬期クライミング」に書いてあるくだりに「東稜を登る程度なら核心は、むしろT4尾根であろう。」というのがあるが、本当だなあと思った。(早く取り付いた者の勝ち)

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