「水無川本谷」遡行における反省点

1989/11/9
メンバー:宇賀田・松野・鈴木・立木・勝野・尾原・小泉  立木 記


11/9 AM9:00秦野にて集合。宇賀田・松野・鈴木・立木・勝野・尾原・小泉の7名にて、水無川本谷遡行の予定で入山。
しかし実際取付開始が11:00と遅くなった事もあり、本谷の遡行が長すぎるので、源治郎沢にルートを変更した。それについては、全員がそろっている状況にて確認をしている。また今回のメンバーの中で水無川、及び源治郎沢を知っているものは、宇賀田、松野の両氏のみ、いざ出合いにて準備を整え出発。
その間、今回は初心者もおりイージーなルートではあるが、松野氏が先行して、源治朗沢F1にて念の為、フィックスロープをはり、我々を待っていた。
約2~3分おくれて出発、順不同にてバラバラに遡行を開始、先に行っているはずの松野氏は見えない。足の遠い松野氏のこと、かなり先に行ってしまっているものと皆勝手に判断し、そのまま遡行を続けるが目の前に現われた滝になんと本谷F1のプレートがついている。そこではじめてルートを間違えている事に気づく。先に行っている松野氏が居るはずもない。
宇賀田氏は、我々若手にてルートを元の水無川本谷にもどしたものと判断して、判っていたが言わなかったとの事、木谷F1前にて相談の結果、1人が引き返し、松野氏の後を追うことにして、残りのメンバーはそのまま水無川本谷の遡行を続けることとする。
鈴木(博)氏が松野氏を追うことになり、その際両パーティーの取決めとして、どちらが早く抜けても、4:00まで山頂にて待つということで鈴木氏と別れる。
しかし松野・鈴木パーティーはかなり早く大倉尾根へ抜け、我々のパーティーが大倉尾根へ抜けたのはPM5:00で真っ暗になる直前であった。
途中上方より松野氏らのコールが聞こえる。下山しながら我々を呼んでいたのである。幸いに我々パーティーもその時刻にコールがかすかに聞こえる地点まで来ていたので応答出来たが、もう少し離れていれば、すでに暗いし、我々は下山したのではないかと判断し、2パーティーがバラバラに下山する結果になったかも知れない。
前回の集会の際、山口、中川両リーダーより、今回山行におけるパーティーの行動としての問題点を指摘された。その間題を自分なりに上げてみた。

1、パーティーのリーダーがはっきりしていなかった事。
2、全員がバラバラに遡行している事。
3、ルートが違っていると気づいた地点で源治郎沢へ戻らなかった事。
4、鈴木氏1人を源治郎沢へ向かわせた事。それにより、鈴木氏が松野氏と合流する前に何かの事故 に合っているかも知れない。松野氏についてもそれは言える。
5、そして2パーティーが、一方のパーティーに事故が起きている事を知らずに下山してしまう可能性がある事。

細かい点をあげればまだあるが、今山行においてはイージーなルートであるという事で、気のゆるみがあったと思う。それがパーティーとしての自覚を低くしてしまった。
今回幸いに事故が起こらずに済んでよかったが、これはパーティー登山に於ける基本的な問題であり、これを良い反省材料にして、パーティというものを改めて考え直したいと思う。

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