南アルプス・白井沢

1995/7/15~16
メンバー:木元・杉浦・広島・宮城  宮城 記


7/14、PM10:00足尾山脈・庚申川本流に向けて四ツ谷STに集合したのだが、どうもこの週末も天気が不安定のようだ。そこでゴルジュ泳ぎの多いこの沢を中止し、比較的大雨の被害の少ない南アルプスの白井沢へ行くことに決める。そうとなれはあとは早いもので中央道に乗って本日のビバークサイト夜叉神へと出発した。到着してからはいつものように少々宴会をしてAM2:00頃床につく。
7/15、AM6:30起床、7:30過ぎ出発。出台までは車で入ることができるのでアフブローチはとても楽。それにしてもここから見る白井沢は頃斜の強いガレ場でこの先はいったいとうなっているのだろうと期待と不安で心が踊ってしまう。
もう2パーテイくらい、先行がいて、しばらくはガレ場が続きゴルジュ帯に入る。出口付近には20m大滝があり、宮城リードで右岸からピン1本のランニングで攀じる。上部が苔でとてもすべりやすく、ホールドも細かいのでずいぶん緊張させられた。4人パーティ

の為リード・フォロー以外はブルージック登攀を行なった。ここから視界がぐっと広がり、真後ろには北岳バットレスの勇姿が素晴らしい。予報とは裏腹に良い天気で沢登り日和だ。快適な小滝がしばらく続く。水量は多い方ではないだろうかな。小さな高巻きを少々行ないながら2つ目の20mも左岸から巻く。高巻道は踏跡ばっちりでとても楽。ということはそれだけ人が入っている谷ということだな。
最初の二俣は右俣に入る。左俣の40m滝は数段に分かれていて、すごい水流を落としている。倒木帯も順調にクリアして3つ目の20m滝に達した。ここは手前の小滝から右岸を巻く。すると目前に垂直に落ちる30m滝が現れた。時計を見るとまだAM10:00過ぎではないか!
この大滝どのように攀じろうか見ていると、先行2パーテイーは右岸から高巻〈ようだ。我々は左岸から高巻かずに宮城リードで取り付く。軟鉄ピンが1本のみ残留されているがさわるとぐらぐら揺れる。そこでブレードを打つがどうやら効果はなさそう。どうもうまくいかないので気合いを入れて登り出す。ハイマツ帯に達してランニングを1つ取って5mくらい上がった所の大木でビレイ。ロープをフィックスして後続を待つ。
この辺りの岩は花岡岩の風化が激しくザラザラしている。セカンドの木元さんがスリップして2~3mくらい墜落。指にケガをしながら登り返してきた。処置をするといって先に上がっていった。ブルージック登攀だったがしっかりと止まるものだ。その上は何の問題もなく2つ目の二俣が現れ右俣に入る。どうもこの辺が従来のビバーク・ポイントらしい。
ちょっとジメジメする。続く7m滝はボロボロで手に付かず右岸から大高巻き。すると左側がとてつもなくガレた地点に出て、大きな木の横に絶好のビバーク・サイトを発見。ここなら石が落っこちてきても大木が守ってくれるだろう。早速本日の宿をつくり、たき木を集める。それでも時間があまり過ぎているため、杉浦さん、広島さん、宮城で近くの大岩で全身素裸になってトカゲになる。夜は気持ち良く燃えるたき火で盛り上かり、AM12:00過ぎ消灯。
7/16、AM7:00出発。すでに他のパーティは出発している朝一番の急登はなんてこたえるんだろ。単調な急登もやがてハイマツ帯になりAM9:0 0 過ぎどうにか鳳凰三山の接線上に到着。ここより観音岳~白鳳峠まで縦走し下りにはいるが折角の稜線上は真っ白のガスで、風も強く久しぶりの山歩きに、ヘリヘロになってしまった。
この白井沢、今回はロープを2回使用したか高巻道は明瞭で初心者同士でなければ無くても遡行できると思う 。しかもバックには北岳バットレスが素晴らしく展望が非常に良い。自分にとってこのくらいの沢は去年の下田・鎌倉沢以来で、1年に1回いや2 、3 回とこのような沢登りを続けていきたいと思っている。

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